肝臓腫瘍（肝細胞がん）の手術をさせて頂きました。

他院さんからの手術依頼で長崎市にお住いのチロルさんが来院されました。肝臓に9センチもの巨大な肝臓腫瘍があり、いらしたときには食欲がなくなっている状態でした。症状を起こしにくい肝臓腫瘍でもさすがにそのサイズになると、体調も悪くなりますし、腫瘍が胃を物理的に圧迫することもあり嘔吐、食欲不振が認められることも多くなります。

手術前の精査を行ったところがんの影響により、血管内播種性凝固といいあちこちで血栓ができ、そのせいで血液が固まらない状態に陥っている事が分かりました。これは亡くなる前のサインとも言え、一刻も早くその原因と考えられる肝臓腫瘍を摘出しなければならない緊急状態でした。幸い明らかな転移は認められなかったため、無事摘出できれば完治の可能性も期待できます。しかし、このまま手術を行えば出血多量で術中死の危険性もあったため、うちのワンコから血液を貰い、チョコちゃんに輸血を行うことでこの状況を一時的に回避し、その間に原因の腫瘍を摘出しました。小ぶりなチョコさんにできた巨大な肝臓腫瘍だったため、手術も難しいものでしたが、無事終えることができました。術後も色々な問題があり、苦労しましたが無事元気に退院を迎えられました。わざわざ遠方から来ていただいた結果をだせほっとしました。退院時、大好きなおじいちゃんをペロペロする姿が微笑ましかったです。
飼い主様からは検査結果が非常に悪く、ショックともう少し早く検査に連れてきていればと後悔しました。先生が今の状況を分かりやすく説明して下さり、納得して手術をお願いすることができました。手術後もこまめに状況を連絡していただいたので、安心できました。お迎えに行った時「チロルさん元気になりましたよ」、「顔つきが良くなった」など声を掛けてもらえ、入院中可愛がってもらえたようで嬉しかったです。チロルの元気な様子を見ていて先生をはじめ皆様には感謝しかありません。本当にありがとうございました。とお声を頂きました。
就業中はもちろんの事、それ以外のプライべートな時間も削りチョコさんの治療に当たったスタッフ一同、この言葉とチョコさんの元気な姿に報われました。こちらこそありがとうございました。